|
更年期障害とは女性では閉経前後の40〜50代に起こる月経異常、自律神経の調節異常、神経や代謝の異常の総称で、その具体的な症状は精神的・肉体的に多岐にわたります。原因は、女性のホルモンバランスに関係しています。
カラダの中では子宮や卵巣が主に女性ホルモンを分泌し、脳(脳下垂体、視床下部)が血中のホルモン濃度を調節しています。必要以上に女性ホルモンの濃度が低下すると、脳が女性ホルモンを出すように子宮や卵巣に信号を送り調節します。
しかし、何らかの原因(老化・ホルモンの原料不足など)で脳が信号を出しても女性ホルモンが増えなければ脳はもっと強い信号で刺激します。その時の刺激が他の臓器に影響を及ぼしてしまい、不快なさまざまな症状があらわれます。そのひとつが更年期障害になります。
■更年期障害の症状
血管運動神経系
ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり) 、動悸、発汗など
精神神経系
頭痛、めまい、立ちくらみ、不眠、いらいら、うつ、耳鳴りなど
運動器官系
肩こり、腰痛、関節痛、疲労感など
消化器系
食欲不振、吐気、便秘、下痢、口臭など
泌尿器系
頻尿、残尿感、排尿痛など
知覚系
しびれ、知覚過敏、視力の低下など
■ストレスも関係している
このような40〜50代という女性ホルモンのバランスが崩れやすい時期に夫の退職、子供の就職・結婚・自立や親の介護など、身の回りの環境がガラリと変わる時期にそれらの要因に対してのストレスが症状を重くしてしまう可能性があります。
■更年期障害と漢方薬
カラダの成長や衰えを掌っているのは漢方でいう「腎」です。
「腎」とは現代医学でいう腎臓の機能だけでなく、生殖系(睾丸・卵巣)、ホルモン系(副腎性腺・甲状腺・脳下垂体)、骨関係(歯・骨・骨髄)、その他に成長発育、免疫の働きも併せもった生命の源と位置づけられています。
「腎」の衰えが急速に進むとホルモンのバランスが崩れ、更年期障害などの不快な症状が現れやすくなります。更年期障害ではカラダの寒・熱に合わせた漢方薬と一緒に「腎」の衰えを穏やかにする補腎薬を用います。
■更年期障害で用いられる漢方薬
杞菊地黄丸(ごぎくじおうがん)、瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)、八仙丸(はっせんがん)、天王補心丹(てんのうほしんたん)柴胡加竜牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)加味逍遥散(かみしょうようさん)など
更年期障害は時が経てば治りますが、ご本人さまにとってはとても辛い症状です。漢方ではお薬と普段の養生でかなりコントロールできますので、我慢しないでお気軽にご相談ください。
ご予算:15日分で4,000円〜8,000円ぐらい
|