|
肩こりとは頸部から肩部さらに背部にかけて脹る、重い、だるい、ひきつる、といった違和感を自覚することです。
他覚的に緊張、硬さ、しこりなどを認めても自覚的に何もなければ肩こりではありません。肩こりの原因は多彩で一概には述べられませんが、おおまかなところを以下に示します。
緊張タイプ
緊張・精神的ストレス・怒りなどが原因です。
筋肉や血管が緊張することで体の中のめぐりが悪くなり、緊張性あるいは充血性の肩こりとなります。
また、頸部から肩背部にかけて筋緊張がみられます。イライラ、ゆううつ、ため息、胸脇部の脹りなどをともなうことがあります。
漢方としては、疏泄(気の流れ)をスムーズにしてあげ、筋の緊張を緩めてあげます。
アドバイスとしては、普段からストレスを溜めないようにし、適度な運動を行ってください。疏泄をスムーズにしてくれるシソ茶・菊花茶やアロマなどを活用するのも良いでしょう。針治療が奏効するタイプです。
元気不足タイプ
元気不足により筋肉に栄養や酸素が届かないことが原因です。
元気がないために、人体上部に必要な栄養や酸素を送り届けづらく肩こりが生じます。肩はこるが局所は柔らかくこりを認めず、元気がない、横になると楽になったりします。
漢方としては、元気を付け気力をまして、気血の流れをスムーズにすることです。
アドバイスとしては、基本的に体力が不足していますので適度な運動をし、消化の良い食べ物を摂り冷たい物や油っこい物は控えめにします。
軽度のマッサージや穏やかなお灸が良く効きます。強く揉むと“揉み起こし”をおこすタイプです。
栄養不良タイプ
筋肉に潤いや栄養を与える血の不足が原因です。
出血・月経・出産・過労などの慢性的な血の不足により、筋肉が養えないことで肩こりが生じます。
また、肩こりとともに筋肉が痩せたり、筋張った感じ、顔色や肌につやがない、筋肉のひきつりなどを伴います。
漢方としては、血を滋養することで筋肉に栄養と潤いを与えます。
アドバイスとしては、食事のバランスをよくしてクコの実やブルーベリーなどの木の実を摂るようにします。痔などの出血がある場合はすみやかに治療を行い、出血の原因をなくすことが先決です。
■ポイント!
実際には複数のタイプが混在している場合やその時の状況や環境にも影響をうけます。間違った方法を用いると余計に悪化することもあります。
漢方では全体のバランスを見ますので、肩こりだけでなく体調も整えていきます。五十肩の方にも同じような原因がありますのでご相談ください。
■肩こりで用いられる漢方薬
四逆散(しぎゃくさん)・星火逍遥散(せいかしょうようさん)・冠元顆粒(かんげんかりゅう)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・葛根湯(かっこんとう)・桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)・婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)など
ご予算:15日分で3,000円〜7,500円ぐらい
|