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冷え性とは冷えを自覚し、不快や苦痛を感じることです。
普通の人が寒いと感じない気候や環境で“冷え”を感じます。しかし触れて冷たくても本人が“冷え”を感じなければ冷え症ではありません。
冷え症の原因は、体表部の病証というよりは体内の「温めるシステム」の機能失調であるということが多いです。ですから外から温めるだけではなかなか治りません。
根本から治療をしないといけないのです!その中で代表的なものを説明します。
元気不足タイプ
元気がないことにより体を温める機能が低下することが原因です。
先天的な元気不足の人、慢性病や老化が原因でエネルギー代謝が微弱になり血行も悪くなって体を温める能力が低下した状態に相当します。
漢方としては、元気を補いながら“冷え”を除去していく方法をとります。
アドバイスとしては、体を温め、代謝アップさせることが大切なので適度に体を動かしたり、ショウガや山椒などの体を温める薬味を摂取するのもおすすめです。
ストレスタイプ
緊張・精神的ストレス・怒りなどが原因です。
緊張、精神的ストレスなどにより自律神経が乱れて血管の筋肉が緊張することで四肢末梢まで血行が行き渡らないことでおこります。
漢方としては、精神をのびやかにし自律神経系を調節し、疏泄(気の流れ)を円滑にしていきます。
アドバイスとしては、普段からストレスを溜めないようにして、適度な運動やお風呂でリラックスをはかってください。シソ茶や菊花茶などもおすすめです。
血(ケツ)不足タイプ
血の温養機能の減退が原因です。
慢性的な疾患や消耗性疾患により、温陽作用のある血量が少なくなることで四肢末梢を温めることができなくなる状態となっています。また血流も悪くなるので冷えの症状はさらに悪化します。
漢方としては、血を養うことを中心にして温性の生薬を配合して散寒を行います。
アドバイスとしては、血は食事が大切ですのでバランスの良い食事を心がけ冷たい飲み物などは控えるべきです。またクコの実やブルーベリーなどの木の実を摂るようにしましょう。
■ポイント!
冷え症には生活の習慣が大きく関わっています。
昔に比べ、冷蔵庫の普及などで冷たい飲食物を摂る回数が増え、お風呂なども手軽にシャワーで済ませ、寒い日でもファッションを優先して薄着をするといった積み重ねが助長しています。
普段から少し気をつけることでたいへん良い結果に結びつきます。
そして冷え症は軽く見られがちですが漢方では病気であり、そのままにしておくともっと重い病気の引き金になりかねません。ちなみに花粉症やリウマチなどの自己免疫疾患の一部に冷え症が関与していることが原因であるといわれています。
■冷え性で用いられる漢方薬
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)・参茸補血丸(さんじょうほけつがん)・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)・温経湯(うんけいとう)・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)・星火逍遥丸(せいかしょうようがん)など
ご予算:15日分で3,000円〜7,500円ぐらい
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